我が家の庭には、カツラ、コハウチワカエデ、シマトネリコの3種の樹木が植えてあります。
まだ7月末に植樹を行ったばかりなので、根付く前に倒れてしまわないよう、業者さんが植樹時に竹で八つ掛け支柱を作ってくれました。
▲八つ掛け支柱ってこんなん。画像はお借りしました。
先日、その竹が原因で思わぬ生き物に出会うことになりました。
そしてその思わぬ生物がこれまた驚きの行動を見せてくれたのです。
今回、私の思考回路と行動を細かく書いてみるつもりなので、長文になると予想されます。お時間ある方のみ、ご覧ください^^
注意!
これ以降、昆虫の写真が出てきます。苦手な方はお気をつけください。でも、そんなにグロイ虫ではないです。
予兆
4月に入り、先日のエントリーのように、グランドカバーのレイタータイムが花を付け始めた頃のことでした。
https://www.feelinggoodhome.com/entry/2016/05/08/070000
庭にある木のうち、カツラの木にやけに大きな昆虫が来るようになったのですが、体のサイズや形状、羽音の大きさから、恐らくクマバチだと思っていました。
とはいえ、一般的なクマバチとは若干色が違い全体的に黒っぽかったので、自分が知らないだけで違う種類のクマバチなんだろうな~、なんて思っていたのです。
▲一般的なクマバチ。キムネクマバチという種類です。
ちなみに、私の実家の庭には多くの樹木や植え込みがあったので、ハチが飛んでいるなんて日常茶飯事。アシナガバチですらよくいたので、全然怖いとは感じないです。
こちらから危害を加えない限り、攻撃して来ませんからね。ましてやクマバチともなれば刺すことはめったにないので、全然気にしていなかった。
それに、カツラの葉はにおいがするというので、その匂いにつられてきているのだと思っていたし、支柱にしてある竹によくとまっていたので、巣作りのための材料(竹の繊維)なんかを集めに来ているのだと、微笑ましく思っていたのです。
そんなある日のこと、ちょっと気になることがありました。
予兆 その1
4月も終わりに近づきGWに突入したころ、シマトネリコにカイガラムシがついてしまったので、その駆除をしました。駆除後、コハウチワカエデやカツラにもついていないかとじっくり見ていたのです。
ふと、カツラの支柱の竹のところどころに、直径1cmほどの丸い穴がぽつぽつと開いているのに気づきました。以前からあったのかが記憶になかったので不思議に思ったのですが、コハウチワカエデの竹にも穴があるのを発見。でもシマトネリコの竹にはなかった。
穴がある竹の共通点は、細い竹であること。植樹をした業者が細い竹に必要であけた穴かな?などと思っていました。
予兆 その2
カツラとコハウチワカエデの近くに行くと、カリカリカリと、音がします。この音、実家の庭で聞いたことがある音とそっくり。
何の音かというと、アシナガバチが木の繊維を喰いちぎるときの音。(巣作りのために繊維を必要としていたと思われる)
でも、クマバチ(と思っているハチ)がいてもいなくてもその音がしていたので、ハチによるものではないと判断し、支柱が風で揺れるときに、結んである紐とこすれて音でもするのだろうと思っていました。
邂逅、そして・・・
目を疑った瞬間!
別の日のこと。
前回の確認時、コハウチワカエデにもカイガラムシが少し発生していたので駆除のスプレーをかけた為、その後の経過を見に行きました。
相変わらずクマバチ(と思っているハチ)はブンブン飛んでいました。
今日も元気に飛んでるわぁ~、なんて思っていた次の瞬間!
ハ チ が 竹 の 穴 に 入 っ て い っ た !!Σ(゚д゚;)
一瞬理解ができずビックリしたけれど、確かに入っていった。
え!?と思いつつ、入っていったのなら出てくるだろうと、出てくるのを待ってみたけれど出てこなかった。謎が深まる。
不思議に思ったので、グーグル先生に聞いてみることにした。
教えて!グーグル先生!
ということで、あの穴はもしかして巣ではないだろうかという信じがたい仮説を立て、「ハチ 竹 巣」とキーワードをいれ検索してみる。すると、見事にヒット。
もうね、一番上に出てきた検索結果をみたらなんか笑ってしまったよ(笑)
▲黄色線の部分見ただけで、納得したよね。
検索一番に出てきたこちらのページを読んでみて、全ては理解できたのです。
<以下、中日環境ne 一 中国からやってきたクマバチより引用>
このタイワンタケクマバチは最近、東海地方で発見された外来のクマバチである。
原産地は中国および台湾で、乾いた竹の筒に穴をあけて、中に入って、竹の空洞を利用して巣を作るという習性を持つ。
(中略)
日本のクマバチの仲間がアジア大陸にも生息しており、そのうちの1種が竹の中に巣を作るタイワンタケクマバチ。
身体は全身、黒のメタリック。羽の色も虹色に輝き、実にエレガントなクマバチである。こちらも日本のクマバチ同様、竹の巣に暮らす我が子らのために母親が1匹で餌集めに奮闘する。
うん、もうね、ハチの姿かたちも竹に開いた穴もそのまんまです。
君たち、タイワンタケクマバチだったんだね\(^O^)/
この子達をどうしたろうかしゃん
さて、正体はわかったものの、このクマバチたちをどうしようか。。。
どうしよう、どうしよう。どうしたろうかしゃん。@指示待ち妖怪「どうしたろうかしゃん」
いやすいません。最近「どうしよう」という単語が頭に浮かぶたび、このどうしたろうかしゃんが一緒に頭に浮かぶもので・・・。
気を取り直して。
今まではある意味遊びに来ているだけだと思っていたから放置していたのだけど、まさか巣を作っていた(しかも10個ほど!)となると、心象が変わるってもんです。
少し考えた後、私は決めました!
そして行動に移しましたよ~!!!!
どこか他所へ行っておくれ
さすがに殺してしまうのは可哀想に感じ、ひとまず我が家の庭での子育てを断念していただくことにしました。
ということで、穴を塞いでみました。
▲家にあった透明マスキングテープで穴を塞いでみた。
ちょうど母クマバチたちはみんな出払っていたので(恐らく3匹が子育て中)、私の手の届く範囲内の6箇所ぐらいは写真のように塞いでみました。
コハウチワカエデの竹は低いものしかなかったので、巣穴全てに手が届き塞ぎました。カツラは背が高い竹で、上のほうの穴には届かず。4個ほどはそのままとなりました。
きっと穴の中には子がいるので殺してしまうことにはなるのですが、健気に頑張る母を殺すことはしたくなかったので、穴を塞ぐことであきらめてどこかに行ってくれないかなぁ~と。
これ、クマバチが穴に入るのをみてわずか10分程度での決断⇒行動でした。
この間、夫は不在で私一人で行ったのですが、直後に夫が帰宅した為、一通り説明しておきました。夫もビックリしていましたけどね(笑)
その後、母クマバチが戻ってきたのですが、みんな相当驚いて木の周りをブンブン飛び回っていました。穴のそばまで行き、あれ?あれ??みたいな感じ。
すまんのぅ・・・。このまま諦めておくれよ。
こうして、我が家の庭からタイワンタケクマバチたちは去っていったのです。
と、思ったら~!!!!
母、強し!
その日の夕方、庭木に水をやりに出て行った夫が私を呼ぶのです。
なんだろうと外に出て行くと、驚きの光景が!!
母クマバチたちが、塞いだ穴の上に新 た な 穴 を 開 け だ し た Σ(゚д゚;)
うそーーーーん。マジか。マジかこれ。母、強し!
写真はコハウチワカエデに巣を作った2匹ですが、カツラの方では、手が届かなかった上の方にある穴にせっせとごはんを運ぶもう1匹の姿が。カツラの下の穴には新たに開けそうな気配はない。
うーむ。
母クマバチは、私たちが近づいても気づかないほど穴あけに夢中。カリカリカリカリ音を立てながら頑張っていました。
夫はすでに、「この新しい穴が開いたらもう塞ぐのはやめよう。自然はすごい。」と達観。私としても、ここまで健気な母をこれ以上いじめるのは心苦しい。
ということで、我が家の庭で子育てを全うしていただくことにしました(T_T)
次の日の昼、母クマバチの様子を見に行ってみると。
すでに頭を突っ込めるほど穴が開いてました。すごい・・・・。
これはもう、今日中に穴が貫通するであろうと予想できてしまう早さでした。
そしてその日の夕方。
貫 通 !
すげぇよ、クマバチよ・・・。もうその子を思う母の気持ちに感服です。
ちなみに、テープが少しべろんとしているのは、夫が面白がってはがそうとしたから。
穴が開いた時点でテープを外したら、いったいどうするのか見てみたかったらしい。やめておいてとたしなめましたが(・・;)
カツラのほうはどうなっているのだろうとみてみると、
まさかのテープを突き破る作戦でして。
内側からカリカリカリカリやってました。
カツラの場合は上の穴から入って、この穴の場所まで来て内側から開けたようです。この竹、マンションだと思ったらひと部屋になってたのね。
結局、コハウチワカエデの塞いだ穴は4つ。そして新しく開けた穴は3つ。もうひとつは今、絶賛内側から食い破り中でしたよ。
カツラの方は3つ塞いで、3つとも内側から貫通済み。
そして先ほど様子を見に行ったら、母さん達はせっせと穴に出たり入ったりして子育てをしておりました。
穴は結構ギリギリサイズみたいで、ごそごそしながら入っていきますけどね(・・;)
攻防を終えて
今回の出来事、本当に自然とその命の強さを目の当たりにしましたね。
種としては外来種になるタイワンタケクマバチですが、キムネクマバチと遭遇しない限り喧嘩しないそうです。(調べたときにあるブログで読みました。)
自宅周辺にはキムネクマバチが蜜をとる藤の花はないし、棲み分けができているみたいなので、おそらくこのまま繁殖してしまったとしても困ることはなさそう。
とはいえ、周りの家にも竹の支柱を使用している庭はあるのに、なぜ我が家の庭にこうも集まったのか。業者が持ってきた竹にすでに潜んでいたのではないかというのが私達の予想ですが、真相は謎に包まれたままです。
竹は樹木の根がしっかり張った時点で撤去予定なので(だいたい2年らしい)、まだ1年あるんだよね(・・;)来年も来るのだろうか。困るなあ。
そんなわけで、未知の生物:タイワンタケクマバチと私の攻防の一部始終でした!
長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。